強がりウサギの不器用な恋

プールサイドに日焼け止めを塗りに戻ろうと、プールからあがった瞬間だった。

気がついたら、男の人が目の前に立っていて。


……外国人だろうか。
髪は黒いが、目鼻立ちがはっきりしていて顔つきが西洋人っぽい。


その男性がニコっと笑い、私に何か話しかけてくる。



………英語、なんだろうな。

なんて漠然と思っていると、次から次へその男性は私に言葉を発し続けてきた。



「ごめんなさい。私、英語はわからないので。」


何も言わないことが言葉を理解していると誤解されるかもしれないと思い、ちょっと待った、と両手の掌を相手側に向け、堂々と日本語で遮ってみせた。


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