強がりウサギの不器用な恋

そうすることで、男性の言葉がピタリとやむ。
何か怒らせただろうか、と表情を伺ってみたけれど、ニコニコとしていて何も気分は害してはいなさそうだ。


……はぁ、良かった。

そう思ったのもつかの間、再び男性がペラペラと私に話しかけてきて、私は心底困ってしまった。


どうしよう、と軽くパニックに陥っていると、その男性は私の肩に手をまわし、どこかへ移動しようと試みていることがわかって………

さらにさらに、パニックになる。

うわぁ、どうしよう。



「ちょ、ちょっと! 離してください!」


ガッチリと肩にまわされた手を何とか跳ね除け、逃げるように数歩後ろへ後退すれば………

ドン!と誰かとぶつかった衝撃が背中に走った。


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