強がりウサギの不器用な恋
プールの後、ホテル内にあるレストランで夕飯を食べた。
マレーシアの夜も、今日で最後。
明日は午前中の飛行機で日本に戻る。
ホテルの自分の部屋の窓から外を眺めると、絶景とまではいかないが、キラキラと夜景が見えて綺麗だった。
もう少し高い場所から見ると、もっともっと綺麗で絶景だっただろう。
きっと私はもう、この街を訪れることはないと思う。
そう思うと、感慨もひとしおで。
より一層、窓からの夜景が綺麗に見えるような気がした。
「みさおー、俺ー。」
異国の静かな夜を満喫していたというのに。
部屋の扉がノックされ、隣の部屋にいるべき男が廊下から私を呼んでいる。