強がりウサギの不器用な恋
「大丈夫だよ。俺、酒強いから。
酔いつぶれたりしないし、ちゃんと自分の部屋に戻って寝る。」
「……ですよね。」
先程のプールでの抱擁を思い出すと、どうしても胸がドキドキと高鳴り始めるが。
この男は私に関心なんてない。
飢えてるわけでもないだろうし、襲われたりしない。
何をいっちょ前に警戒なんてしてるんだ、私は。
こういうのを自意識過剰っていうのに。
「海藤さんがうちの会社に来て、もう3ヶ月経つんですね。早いですよね。」
「…そうだな。」
ソファーにドカっと腰を下ろし、海藤さんはビールを美味しそうに煽っている。
そんな男を目の前に、ふと私はそんなことが頭に浮かんで口にした。