強がりウサギの不器用な恋

「だけど俺、いつまで居るかわかんないよ。」

「え……ずっとうちの会社に居てくれるんじゃないんですか?」

「昨日も言ったろ? また書きたいものが見つかったら、取材に行くかもって。」


海藤さんが目指すものは、ジャーナリストで。



『また世界情勢が変わって、書きたくなったら取材に飛び立つかも。』


昨日の夕食のとき、確かにそう言っていた。
そんなのは、もっと何年も先の話だと勝手に思っていたのだけど……


それは海藤さんが、いつ言い出すかわからないことなんだ。

もしかしたら、来月突然……
というのもありえる話だと、今ようやくその本質を理解した。


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