強がりウサギの不器用な恋
ムカムカしながらも、私はパソコンの画面やタブレット、紙面の資料を見せ、いつもどれくらいの予算でどういうものを社長が買い付けているのかを、海藤さんに説明し始めた。
「……聞いてます?」
途中でそう突っ込みたくなるほど、相槌すら打たない海藤さんにイラっとくる。
「大丈夫。聞いてるよ。」
「言っときますけど私、所詮、金勘定しか出来ない女ですから。
商品に関するセンスはゼロですし、海藤さんに頑張っていただかなくては困るんです。」
「…うん。でもさ……」
何か意味ありげな面持ちでニヤリと笑う海藤さんは、どこか大人の色気もあって、やっぱり苦手だ。
「随分と自分を卑下した言い方だな?」
「……え?」