強がりウサギの不器用な恋

大林くんが事務所を出て行くと、自然と溜め息が出た。
最近の私は、毎日こうして溜め息ばかり吐いて……

もうほんと、自分が嫌だ。

ウジウジした、弱い自分なんて……らしくないと思うのに。


事務所の掃除でもしてから帰ろう。

そう思い、汚れていそうなところを雑巾がけしていると、部屋の片隅に紙袋が無造作に置かれていることに気がついた。


「これって……何だっけ?」


独り言を呟き、その中身を確認すると……

私がマレーシアでお土産に買った、イチゴのチョコレートだった。


「もう、これ……いつのよ。」


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