強がりウサギの不器用な恋

もし私が妊娠しているとするならば……
そういう関係の親しい男性が居るということは、わかりきったことで。

明未さんのいう“その男性”というのは、その相手の人を指しているのだろう。


「確かにその人は……私のことを、強いって言ったことは一度もありませんね。」

「…そう。」

「強いんじゃなくて、強がってるだけだって……」


そこまで言うと、彼の笑った顔が蘇るように頭に浮かんだ。


……海藤さんに、会いたい。

会いたいけど、会いたくない。



「でも…強がっていようが、可愛げがなかろうが。
私は今まで通り、自分らしく強くいようと思っています。」

「そのぅ……訊いちゃいけないと思ったんだけど、相手の人は……」

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