強がりウサギの不器用な恋
「社長のゴツゴツした手より、宮田さんの女性らしい柔らかい手のほうがいいに決まってます!」
「なーにをヌケヌケとエロい願望を言ってんだよ!」
「いや、エロくないでしょ。
でも………それは後で社長と海藤さんからボコボコにされそうなんで諦めますけど。」
アハハと冗談を言って笑い合いながら、私の前を歩く二人。
私をネタに、楽しそうでいいですね。
「そうそう、西田くんよ、俺より先に操の手を握ろうなんて100年早いよ?」
せっかくこの話も終わりになりかけていたのに。
また新たに油を注ぐようなことを言うのは、一人しかいない。
私と同じように、二人の後方を歩く新参者の男。
「うわぁ、冗談ですよ! 社長より断然威圧感ありますね。
わかりました。宮田さんに手を出したら、海藤さんが承知しないってことですね。」
「ああ。解ればよろしい。」