強がりウサギの不器用な恋
「おはようございます。」
月曜日。出勤時間ギリギリに私は出勤。
こういう日は決まって、社長が早く来ていると思ったから、わざとそうした。
社長ならまだしも、もしも海藤さんと二人…という状況に陥ったら、そのピリっとした空気に耐えられそうにないな、とも思ったし。
逃げる私は狡いのかもしれないが。
三人で居るのと、二人きりでは全然空気が違うから。
朝目覚めて、会社に行きたくないと思ったのは今日が初めてだ。
社長に無残にフラれたときですら、逆に仕事を頑張ってやる! と、何くわぬ顔で出勤したというのに。
だけど今は、あの時よりも心が痛い。
そんな心のまま……
防御体勢ができていないまま、海藤さんには会いたくないと思った。