強がりウサギの不器用な恋
だけど、同じ会社で働いている同僚同士。
小さな小さな会社なんだから、顔を合わせるのは当たり前で避けられない。
「おはよ。…意外と元気だな。」
私が元気よく朝の挨拶をすると、社長と海藤さんの視線が一斉に突き刺さるように私に向けられたけれど。
社長は私の様子が意外と普通だったからか、拍子抜けしたようにそう言った。
「だから、電話でも言ったじゃないですか。ただの貧血だから大丈夫だって。
……あ、お二人ともご心配おかけしてすみませんでした。電話もありがとうございました。」
自宅に帰った土曜日。
夕方くらいに、先に電話してきたのは社長。
その後、夜になって海藤さんからも電話がかかってきた。
電話が来ることは私の中で想定の範囲だったからか、普通に電話に出て、体調は大丈夫だと普通に会話ができた。