強がりウサギの不器用な恋
「それと社長、明未さんには本当にお世話になってしまって……。
出産間際だというのに、私のせいで、申し訳ありませんでした。」
「いや、全然。
宮田と女同士、話が出来て楽しかったって言ってたよ。」
「そう…ですか。」
「何話したんだ?って訊いても、女同士の話は俺に言えないとか言って笑ってた。」
明未さん……黙っていてくれてるんだ。
あの時話したこと全てを言わないでいてくれている。
「意外と気が合うのかもしれません。…私と、明未さん。」
「そうか。…あ、そうだ、これ。」
小さく折りたたまれた紙を、私に差し出す社長。