強がりウサギの不器用な恋

「面白いよな。一日であっという間に仲良くなってるし……。」

「…はい。」

「ま、いいや。仲良くなったんなら、今度ほんとにうちに遊びに来いよ。
俺………お前に話があるんだわ。」


そんなことを言われたら、何の話か気になるじゃないか。


もしかしたら……
海藤さんが結婚したという報告だったりするのだろうか。

それとも、私が何か隠れて悩んでいると勘付いて、それを追究するためか。



「俺も、操に話がある。」


社長に対抗でもするように、海藤さんが重厚感のある声で言う。

不意に彼のほうに目をやれば、切なさを含んだ鋭い視線で射抜かれて、息が止まりそう。


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