強がりウサギの不器用な恋
あぁ、もう……
防御能力の落ちている心臓が、これじゃあもたない。
「な、何ですか……二人とも…。」
フイっと視線を逸らし、私は逃げるようにコーヒーメーカーへと向かう。
「ロクな話じゃないなら、聞きたくありませんけどー。」
私の中で精一杯茶化してそう言うと、二人ともそれ以上何も言わなくなった。
海藤さんの話というのも、綾乃さんとの結婚話なんじゃないか、と思うから…。
私と二人のときに、一対一でそんな話をされることは、悪いが想定外だ。
私は社長からその事実を聞くか……
海藤さんが自分の口から言うとしても、大林くんたちを含め、みんなの居る前で報告として話すだろうと思っていたから。