強がりウサギの不器用な恋

だけどそれは、お昼を過ぎた頃だった。
社長のデスクに置かれていたスマホが、静かな空間で着信を告げて…。


「明未、どうした?……え?! わかった、すぐ行く。」


短く電話を切った社長は、慌てたようにバタバタとしだして……


「…社長? もしかして……」

「ああ。陣痛が来たそうだ。
俺もすぐに病院に向かう。宮田、飛向、悪いが後は頼んだ。」

「はい! 頑張ってと、明未さんに伝えてください。」


今まで見たことがないくらいに焦っている社長。

私まで胸がドキドキして緊張してきてしまう。
無事に、安産で生まれてきますようにと、私はここから祈ることしか出来ないが。


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