強がりウサギの不器用な恋
宮田 操(ミヤタ ミサオ) 24歳
こんな寂しい一人暮らしを始めて………もう6年になる。
恋人は居ない。
大学入学から住み始めたこの部屋にも、男が来たことは一度もない。
仕事は、大手企業の秘書課所属………の、はずだった。
私の中ではそう予定していた。
大企業のお偉方の後ろを颯爽と歩く秘書。
『宮田くん、そろそろ会食に出かけるから車を回してくれたまえ。』
『かしこまりました、専務。』
なーんて、大きいビルの専務室でかっこよく仕事している予定だったのに……
私のその予定は、大学時代に知り合った、たった一人の男によって、見事に変更させられてしまった。