強がりウサギの不器用な恋
そのまま数時間が経って、夜も11時を過ぎた。
「海藤さんは、遅くなるから帰ってください。」
「…操は?」
「私は、まだここに居ます。」
「じゃあ、俺も居る。」
なんだか付き合わせてしまって悪いと思い、海藤さんには帰るように言ってみたのだけど。
微塵もためらわずに、ここにいると言って彼は微笑んだ。
「コンビニで、何か買ってこようか。
お茶とかおにぎりとか。…飲まず食わずじゃ、また操も倒れるぞ。」
病み上がりなんだから無茶するなよ、と海藤さんがそう言いながら椅子から腰を上げる。