強がりウサギの不器用な恋

そのまま数時間が経って、夜も11時を過ぎた。


「海藤さんは、遅くなるから帰ってください。」

「…操は?」

「私は、まだここに居ます。」

「じゃあ、俺も居る。」


なんだか付き合わせてしまって悪いと思い、海藤さんには帰るように言ってみたのだけど。

微塵もためらわずに、ここにいると言って彼は微笑んだ。


「コンビニで、何か買ってこようか。
お茶とかおにぎりとか。…飲まず食わずじゃ、また操も倒れるぞ。」


病み上がりなんだから無茶するなよ、と海藤さんがそう言いながら椅子から腰を上げる。


< 309 / 404 >

この作品をシェア

pagetop