強がりウサギの不器用な恋
はっきりとしない私に、社長は苛立ちを隠せないようだ。
だけど。私は押し通る。
社長には悪いけど、ここは押し通らせてもらう。
「…いつ辞めるんだよ。」
「出来るだけ早い時期に。
もうすぐ締め日なんで、その業務を終わらせてから…。」
「そうか…。」
「社長には経理を引き継いでもらうことになると思いますけど。
私、わかりやすくマニュアル作っておきますから、毎月それを見ながらやってください。」
社長は経理のような細かいことが苦手だ。
あとは何とでもなるけれど、そこだけが心配。