強がりウサギの不器用な恋
「儲けるためにやるわけじゃない、と言って始めた会社ですけど、潰さないでくださいよ?
あの会社が潰れたら、明未さんも恋未ちゃんも一緒に路頭に迷うことになるんですからね。」
「わかってるよ……」
きっと私は離れても、会社の発展を遠くから祈るだろう。
社長と海藤さん、二人がいれば安泰だけど。
家に帰ると、自宅のパソコンで、先程社長に言っていたマニュアル作りを開始した。
最近はうっかりミスばかりで、会社に迷惑をかけていたし……
立つ鳥跡を濁さずっていう言葉もあるように、出来るだけ綺麗に去りたいと思う自分が居る。