強がりウサギの不器用な恋

『宮田さん、今……一人?』


電話に出るとすぐ、明未さんが私の周りを気づかうように言う。


「はい。今、一人です。」

『真吾がね、今日は飛向さんがいないから、ボランティア事務所は夕方から行くって、今朝言ってたの。
だから今なら電話しても大丈夫かと思って……』


その言葉をそのまま普通に受け取ると、明未さんはタイミングを計って、狙い撃ちで私に電話してきたようだ。


「社長が傍にいたらまずい話、ってことですよね?」


私に気を遣って、何か社長に隠しておきたい話でもあるのだろうか。


< 339 / 404 >

この作品をシェア

pagetop