強がりウサギの不器用な恋
「操をちゃんと、幸せにできるやつなのか?」
「………」
「ま、そんな男が本当にいるっていうなら、実際に俺の目の前まで連れて来いよ。」
呆れたように紡がれたその言葉に、私の嘘なんてとっくに見抜かれていたのだと悟り、視線を下げて俯いた。
「俺……操と話がしたいとずっと思ってた。
真吾から電話もらって、話すなら今しかないと思うからここに来たんだ。
…迷ってる場合じゃない。
居なくなってからじゃ、話すこともできないからな。」
彼の声のトーンが、幾分落ち着いたものに変わった。
低い声に、穏やかさと優しさが混じる。
「な、何ですか……あらたまっちゃって。」
「いいから、俺の話を聞け。」