強がりウサギの不器用な恋

「逃がさないっつってんだろ。」


その瞳に、久しぶりに感じた……彼の男の色気。

しかも何故か強烈にそれは放たれていて……


「ほんとは、お前の心が俺に傾くまで待つつもりだったけど。
お前がこれ以上逃げるなら、待ってられるか。」


そう紡いだ彼の声が凄く近い。

気がつくと、すぐ傍の距離に彼が立っていた。


「お前が何を思って……
何に悩んで、俺から急に逃げるのかわかんねぇーけど…。」


彼の大きな両手で肩を抱かれ……
そのまますっぽりとその広い胸の中に閉じ込められた。


< 386 / 404 >

この作品をシェア

pagetop