強がりウサギの不器用な恋

あまりの衝撃に、腰が抜けそうになった。

あんなに深刻そうに電話で妊娠がどうとか話していれば、父親は彼で間違いないと思うに決まってる。


だけど………違った???


あの、身の切れるような想いで、彼から離れなければいけないと毎日悩んだのは、一体何だったのかと途端に体中から力が抜けていく。



「勘違いする前に、俺に確かめて訊けばいいだろ。」

「そんなの訊けないですよ!
誰か女性を妊娠させたんですか? だなんて…。」

「綾乃の相手が、俺も知ってる男だから相談されただけ。」

「もうやだ。……信じられない。」

「信じられないのはこっちだ!」

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