強がりウサギの不器用な恋
昨夜、玄関先に立っていた彼の姿を思い出していた。
頭の先からつま先まで、雨の雫が滴り落ちるずぶ濡れの姿を。
どこかのジュエリーショップに入ったのだろうけど、お店の人はさぞかし驚いただろうなと思う。
というか……
もしかしたらこの買い物をしていたせいで、余計に雨に濡れたのかもしれない。
「つけてみろよ。」
彼が箱からリングを取り出し、私の薬指にそっと嵌める。
「操、指細いな。」
「…ブカブカですね。」
「しょーがないだろ。サイズわかんなかったから。」