強がりウサギの不器用な恋
「来月も同じようにそれで……っていうのは、マズいか。」
「はい。さすがに。季節も変わりますし、代わり映えしなくなりますので。」
気がつけば………
渡辺先輩が大学4年のときに作った会社で、私は働くことになってしまった。
この人は、夢を追いかける熱い男で。
しかも起業するにもお金は丼勘定で、なるようになる!と豪語してしまうような男で……
見て見ぬ振りができない私は、この男を放ってはおけなかった。
そして、在学中から先輩を手伝い、卒業して正式に入社。
………大企業の秘書の夢、返してくれ。
だけど……この男に捕まってしまったのが悪い。
もっと言うなら、知り合ってしまったのがいけない。
この男には、何か人を惹き付ける魅力……いや、魔力みたいなものがある。
昔からそれは、男女問わず。