強がりウサギの不器用な恋
そんな言い方は卑怯だ。
まるで熱いラブコールを受けているような錯覚に陥るじゃないか。
それは“恋愛以外の部分で”と、言われていることに間違いないのに。
『自分でも、こんなに狡い男だとは思わなかったよ。
でも、長年一緒にやってきたパートナーであり、後輩であり、友人であるお前との関係をこじらすのは辛いんだ。だけど……お前が無理なんだったら……』
『私のことナメないでください!』
『…………』
『安心してください。社長のことなんて明日には綺麗さっぱり忘れます。
いつまでも私が好きでいると思わないでくださいね!』
『……宮田…』
ですから私が会社を辞める理由なんてないでしょう? なんて……
プライド高く上から目線で思い切りそう言ってのけた、それは私のせめてもの虚勢。