強がりウサギの不器用な恋

「な、何ですか!」


当たり前だが、驚いてのけ反るように身をよじり、その手から逃れる。
急にこんなことをされる意味がわからない。

その理由を求め、訝しげに隣の男を見つめれば………



「慰めてやるよ。」


そう言われた意味もわからないまま……

男は私のこめかみ辺りから髪の中へその手を差し込み、頭を引き寄せて。


そんな行為に全く免疫のない私。
それだけで心臓がドキドキと爆発しそうに早鐘を鳴らす。


そして、至近距離にその彫りの深い顔立ちが見えたかと思えば、

溢れんばかりの色気で毒され、そのまま獲物を捕らえるように……


―――― 唇を奪われた。


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