強がりウサギの不器用な恋
「よろしく。名前は?」
「…1年の……宮田です。」
「そっか……宮田さんね。」
私に訊くのと同じように、周りにいた数名の女の子にも同様に名前を訊いて軽く自己紹介していた。
みんなに同じテンションでニコニコと笑顔を振りまいていて。
他人ごとだけど、疲れないのかなとお節介な心配をしてしまう。
「あ、俺今ナンパしてるみたいだけど違うから! そんなキャラじゃないし。」
そんな風に言うもんだから、周りの女の子たちからは自然と笑みが零れる。
愛想が良いというか、人懐っこいというか……
ま、あれは見ている限り“天然”なんだろうけど。