ワタシ的、悪戯と代償
PM 5:47
飛行機はどうして飛ぶことができるの?
きっと誰もが一度は思ったことがあるであろう、この疑問。
大きく重たい、言葉の通り"鉄の塊"であるその物体が、何故あの大きな空を自由に飛び回ることが出来るのか。
あぁ、いくら考えても不思議でしょうがない。
「あの翼はね、ただの翼じゃないんだ。」
「と言いますと?」
「翼を真横から見てみるとね、こうなっているんだよ。」
先生は一度そこで話を切ると、手元にあったボールペンを手に取る。そして何かの紙の切れ端を掴むと、そこに滑るようにペンを走らせた。
「こんな形だね。」
私があげた、夢の国と称されるテーマパークのお土産であるそのボールペンを、先生は律儀に使ってくれている。
悪戯半分であげたそのボールペンの先には、そこの人気キャラクターである黄色い熊が呑気に首を振りながら座っている。
涙を横にしたような形が、紙に書かれている。平たく、下辺は直線だが、上辺はゆるやかなカーブを描いていた。
潰したかまぼこのようだ。
先生はこの図を何度もなぞるようにボールペンを滑らせる。
「下は真っ直ぐだ。それに比べて、上はゆるやかにカーブしているね。」
「はい。」
「ここがポイントなんだ。」
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