天才少女の復讐法。
「刑事一家…?」
__ギリッ…
その言葉を聞いて、
あたしは思わず拳を握りしめる。
*
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+゚
『家庭内でトラブルなんか
本当になかったんですっ…!もっとちゃんと…
っ…ちゃんと調べてください…!お願いしますっ!』
*
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+゚
7年前、必死に訴えたあたしの言葉は……
刑事には届かなかった。
…子どもの言葉を、信じてはくれなかった。
刑事は、無力のくせに綺麗事ばかり言って
正義感を振る舞う。
だからあたしは、刑事なんか大嫌い。
「体調でも悪いのか?」
教室前で立ち止まっているあたしに、
不意に誰かが声をかけてきた。
あたしは表情1つ変えず
無言で首を横に振る。
「そっか、なら良いけど。」
そう呟いた男は、あたしの前を通り過ぎ
教室の中に入って行った。
「お一!黒瀬じゃん!」
……このとき、あたしは聞き逃さなかった。
男が教室に入った瞬間、
誰かが呼んだ『黒瀬』と言う名前を…。