天才少女の復讐法。


わたしの目の前には
瀬織さんの手が差し出されていた。


言葉なんてない。


でも、瀬織さんの想いが伝わる。


__ギュッ…


わたしは、震える手で握りしめた。


…冷たい手だった。
でも、瀬織さんの温もりを感じて
温かい気持ちになった。


わたしの涙は止まらなかった。


…いじめられっ子のわたしは、
まだ何も変わってないけれど…


わたしには、生きる希望と未来があるかも。
なんて思えるようになったのは……


全部、瀬織さんのおかげなんだ。


「ありがとうっ…。」


__こんな弱いわたしを、
助けてくれた瀬織 雫ちゃん。


わたしはさ、
何があってもずっと味方だからね。


……例え今までの過去と
過ちを知ったとしても__。


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