天才少女の復讐法。
【詩織side】
不意に雫ちゃんは、
わたしに何かを差し出した。
「えっ……これ、拾ってくれたの?」
雫ちゃんがくれたのは
わたしの上靴と、教科書だった。
「ありがとう。」
わたしは雫ちゃんから受け取って、
思わず握りしめる。
そのボロボロな教科書類を見ると
現実に引き戻された気分になった。
『今日はどんなサプライズを
してあげよっかなー?』
今朝言われたその言葉と
彼女たちの笑い声を思い出すだけで
怖くて、震えて、胸が張り裂けそうになる。