天才少女の復讐法。
………でも、その事実を伝えることで
蒼波さんがまた悲しむのなら…
あたしはその事実を言ったりしないから。
"知らなくて良い事実もある"
あたしは復讐をしていくうちに
そんなことを学んだ。
__蒼波さんとは、
もう関わることはないだろうな…。
……そう思うと、なんか……
いや、きっと気のせいに決まってる。
認めたくない気持ちを、胸に秘めたとき
ちょうどよく、窓から優しい風がなびいた。
もう、秋か………。
……秋は、あんまり好きじゃない。
…現実は何も変わらないのに、
亡き家族に、会いたくなるから。
だからこそ、復讐心がより一層強くなる。
荒れる季節が、今年もまた始まるんだ……__
《第6章 完。》