天才少女の復讐法。
「…や、何でもない。」
俺も母さんに向かって微笑み返す。
「そう?……そういえば、煌弥。
お父さん元気?」
その言葉を聞いて、
俺の顔から、笑みが消えた。
「入院してから、全然顔を見てないのよね。
ちゃんとご飯、食べてるかしら?」
あいつの本性を何も知らない母さんと、
そんな母さんを見下すように、不倫をする親父。
そう思うだけで
無性に苛立ちを覚えた。
「……もう、別れちゃえば?」
母さんからしたら、
急にそんな意味不明なことを
言った俺は、相当嫌な奴だろう。
「……え?」