天才少女の復讐法。
「…お母さんはね。」
「…え?」
「お母さんは、お父さんが必要なのよ。
例え近くにいなくても大切な人なのよ。」
そう言って、
母さんは優しく微笑んだ。
「…そっか。そう、だよな。」
母さんにそんなこと言われたら
俺は何も言えない。
病弱な母さんは、
昔から苦労してきたらしい。
だから、俺は母さんに幸せになってほしい。
あんな親父でも、
母さんにとって大切な人なら……
俺は……こんな紙切れ、見逃してやるっ……。
そんなことを思いながら
母さんの見えないところで……
俺は写真を破り捨てた……__