天才少女の復讐法。
「…それがなんだ。なにか問題か?」
予想外の返答に
俺は、思わず目を見開いた。
「は…?」
「好きな女と一緒にいて何が悪いんだ。
はっ…なにか勘違いしてないかお前。
私はいつ離婚しても良いんだぞ?
しかし、お前の母さんはどうだ?
身体が弱いから使い者にもならない!」
「使い…者?」
「入院代…治療代、
誰の金で出してるのか考えてみなさい。
私がいなければ、
お前の母さんはとっくに死んでるさ。
私は仕方なく費用を負担をしてあげてるんだ。
病弱な妻と籍を入れたことが間違いだったな。
そう考えたら、たかが不倫ごときで
騒ぐことじゃない。
…いっそ死んでくれた方がいいかもな」
「てめぇふざけんなっ…!!」
__ガシッ!
俺は、親父の胸ぐらを掴んだ。
こんなことをしたのは
生まれて初めてだった。
それくらい、怒りがおさまらなかった。