天才少女の復讐法。


…それでも、俺はこれ以上
何も口を出せない。


悔しいけど……すっげぇむかつくけど
あいつの本性がバレて、
母さんが傷付くのはもっと嫌なんだ。


…それに、治療代も必要なのは事実で。


「ふっ…俺って無力だなぁ。」


全部……母さんのためなんだ。


……つーか、無理にでもそう思ってねぇと
やってられねぇよ……。


__時間は、
いつの間にか朝方を迎えていた。


「…やっべぇ…学校だ。」


なんて思ったその時…


__ブーッ…ブーッ…


不意にスマホが震えた。


「……もしもし。」


『もしもし!○○病院です!
柴咲香澄さんのご家族の方で
お間違いなかったですか!?』


慌てた様子に、嫌な予感がする。


……電話は病院からで、
母さんが急変したから
至急来てほしいと言う連絡だった。


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