天才少女の復讐法。
あたしと彼の価値観。
【雫side】
あの日……
社長の奥さんである香澄さんを助けた
あの日から……
あたしは、ずっと憎んでいた社長に
復讐どころか、
接触さえも出来ずにいた。
社長に対して
あたしの恨みは何ひとつ消えていない。
にも関わらず、接触が出来ないのは……
きっと、香澄さんとお母さんを
心のどこかで重ねている自分がいるから。
【誰も悲しまない復讐なんてない】
そんなこと、分かってるけど……
それでも、あたしが社長を消すことで
あの奥さんが悲しむと思うと…
あたしのお母さんの存在が蘇って
なぜか胸が苦しくなるんだ。