天才少女の復讐法。


「…何びっくりしてんだよ。
しょうがねぇーだろ。許せねぇんだから。」


そう言い切った彼を見て、
あたしは驚きを隠せなかった。


…あたしと同じ価値観を持ってる人に会ったのは…初めてだったから。


「……普通は許せるよ。」


「…俺は普通じゃねぇーんだよ。
そりゃそうだよな。
普通の人は『親を殺したい』なんて
思わねぇもんな。」


「……そうだね、普通の人は……ね。」


あたしがそう言うと、
彼は少し悲しそうな顔をした。


「でも、あたしも同じだから…。」


気付けばあたしは、
そんなことを口にしていたんだ__


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