天才少女の復讐法。


拳を震わせて、空を見上げた。


「ついに、ここまで来たんだ…。」


残すは、父親だけ。


目を閉じると、今までの記憶が蘇る。


お母さんとお姉ちゃんの悲惨な光景。


家族を殺した父を恨んだ、あの秋。


親戚にも見捨てられ、
震えながら、1人で作戦を立てたあの日。


美咲さんの自殺を目の当たりにして
この世界が嫌になった日。


そして、お母さんとお姉ちゃんを
殺した動機が、明らかになったあの日。


「……あと1人……。」


そう呟いて、あたしはこの場を後にした。

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