天才少女の復讐法。


「前に会った時
意識のない香澄さんのことを
『こんなの、死んでるのと同じ』って
言ってたけど………それは違うよ。」


「……え?」


「例え目を覚まさなくても
心臓が動いているだけで…
手が温かいだけで…希望はある。

本当に死んだ時はさ、温もりがないんだよ。
…体中が冷たいんだよ。
消えて、視界にすら映らなくなる。
まるで元からいなかったかのように…。

…希望なんてまったくない。
だから、決して死んでるのと
同じなんかじゃないから。」


まるで過去のことを思い出してるかのように
少し震えた声で、彼女はそう言った。

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