天才少女の復讐法。
……なんて思いつつ、
あたしは黒瀬の話に合わせ、相づちを打つ。
「そうだね。
でもあたし、けっこう学校休むから
他の子ともあまり喋ったことないんだ。」
"あまり"じゃなくて、"全く"の間違いか。
「一緒だな。俺もあんま学校に来ね一んだ。」
「え、そうなの?…どうして?」
あたしは、しらばっくれたフリをして
黒瀬にそんなことを尋ねた。
「俺さ、実は刑事の息子で…
たまに手伝いとかしてんだよ。」
「え、刑事?それじゃあ…
黒瀬くんも将来は刑事になるの?」
「まぁ…なれたら、の話なんだけどな。」
そう言って、自信なさ気にうつむく黒瀬。