天才少女の復讐法。


「でも、例え名前が分かったとしても
それがあたしだとは限らない。
だって、家族構成が書かれてあっても
顔までは載らないから。」


「瀬織 雫があんただってことは
すぐに分かったよ。
…初めて会ったあの日
普通の人は理解出来ない俺の気持ちを
『同じだから』って言ってくれたろ?

だから、もしかしたらこの子も俺と同じで
誰かを憎んでるのかなって思ったし…。

それに、俺の親父が『ある罪を犯した』って
あんたが言った時、ピンと来たんだよな。
だってあいつは…
平気で誰かを傷つける奴だから。
他人だけならまだしも、母さんにまで。」


「……そっか。」


……彼は、あたしの過去を
全部知っちゃったんだ。


……過去だけじゃない。


あたしが、この一連の自殺事件の黒幕
だということも…彼は気付いているはず。



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