天才少女の復讐法。


「でも、これだけは言える。
10年前でも20年前でも、被害者にとっては
忘れることのできない辛い思い出だ。

みんなが忘れた事件でも
被害者だけは忘れることができない。
だから僕も、自分が担当した事件は
何年経っても忘れたくないって思ってる。

…って、なんかしんみりしちゃったね。」


そう言って、謝る中村さんに
俺は首を横に振った。


「勉強になりました。」


「…じゃあ、そろそろ失礼するよ。」


そう言って、中村さんは立ち上がる。


「またね優雨くん」


「はい…!」


__ガチャ


そう言って、中村さんは部屋を後にした。


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