天才少女の復讐法。
……そこに書かれた事件は
目を背けたくなるほど悲惨な内容だった。
『20××年10月、午後4時半頃
○○市✗✗区の住宅で、
瀬織 沙雪(サユキ)さん(当時37歳)
長女の零(レイ)さん(当時12歳)が
刃物で刺され、殺害された。
第一発見者は、次女で
殺人罪で指名手配されたのは
沙雪さんの夫、瀬織 忠信容疑者(当時37歳)』
一通り読み終えた俺は……言葉を失った。
暑いわけでもないのに、やけに汗が出る。
「瀬、織…?」
かすれた声で、俺は呟いた。