天才少女の復讐法。


「っお母さん…もうちょっとで
救急車、来るからっ……!」


電話のあと、あたしは必死に
お母さんに呼びかける。


だけど、どんどん意識が
遠くなっているお母さん。


「…っやだ……お、お母さんっ…!
ねぇお願いっ…ひとりはいやだよっ…
ひとりにしないでっ…!」


震えながら、呼びかけるけど……


……力が抜けたお母さんを
あたしは目の前で見てしまった。


……あたしの目の前で、
お母さんは息を引き取ったのだ。


頭が真っ白になった。


…声が出なかった。


あたしはこの感覚を
一生、忘れることがないだろう……__


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