天才少女の復讐法。


「あいつは見るからに警戒心強いし、
人を簡単に信じなさそうだから
さっきみたいに、そっけない態度
されるかもだけど……

いつかはさ、あんたに
心を開くかもしんねーじゃん?
そしたら聞いてあげれば?…あいつの話。」


俺がそう言うと、彼女はゆっくりと頷いた。


「…ま、それなりの覚悟が必要だと思うけど。」


「…覚悟?」


「…あぁ。……冷たい言い方だけど
薄っぺらい覚悟しかないなら
逆にもう、あいつに関わんない方がいい。
その方が、あんたにとっても幸せだろーし。」


「……」


「ちなみに、俺は覚悟ができてる。
だから……あいつのそばにいる。」


雫の過去を知ったあの日から
俺は、そう決めたんだ。


「じゃあ、もう行くわ。」


そう言って俺は、公園を後にした……__

< 457 / 619 >

この作品をシェア

pagetop