天才少女の復讐法。
「…ずっと一緒には居られないけど
……あたしのところに来る?」
気付けばあたしは、
そんなことを言っていた。
この子犬が、
保健所に連れて行かれると思うと……
殺される、って思うと
ほっとけなかったから。
小さい柴犬は、くぅんと
高い声で鳴いている。
「…辛かったね。…もう大丈夫だから」
そう言って、子犬を抱いて立ち上がり
あたしは再び歩き出した。
__腕の中の温もりは、なんだかやけに温かくて
なんだかすごく、懐かしく感じた__