天才少女の復讐法。

「…あたしの方こそ、ごめんね……？」


『…え？』


予想外の返答だったのか、
奴はすぐに聞き返してきた。


「ふっ…あんたの愛人、吉木晴美だっけ？
ちょーっと追い詰めたら…自殺しちゃった。
オトウサンの大切な人だったよね…？」


そう言い返せば、
奴が息を呑むのが分かった。


「でも、安心して？吉木晴美の最期は、
あたしがちゃーんと見届けたから。
オトウサンにも見せたかったなー。
吉木晴美の……無様な死に方。」


『っ……』


煽り、煽られ……
あたしたちは、お互い見えない距離で
火花を散らすように怒りに満ちている。


怒り狂った2人の天才は
血が繫がっているとは思えないほど
お互いが敵意の目を向けていた……＿＿