天才少女の復讐法。


「……お母…さん…。」


不意に、瀬織の寝言が聞こえた。


そしてその直後、瀬織の目からは
一筋の涙が流れていた。


「……っ」


俺は立ち上がって、瀬織の涙をぬぐう。


『もう手遅れだよ……っ』


そう言った瀬織の言葉が、頭から離れない。


……瀬織の復讐に、
俺がもっと早くに気付いていたら…


『手遅れ』なんて言われる前に
こいつの復讐止めていたら…


瀬織がこんなに辛い思いをすることは
なかったのかな。


……そんなこと、今思っても意味ねぇけど
どうしても考えてしまうんだ。



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